• 白を基調に、エレガントなブリティッシュスタイルにまとめられた。
    シンプルに思えるが、シンメトリーを意識して配置された窓、屋根の軒下とカバードポーチにぐるりと巡らせたデンティルモール、英国らしさを強調するため、玄関にはあえて濃紺のシングルドアを使うなど、デザイン的な見せ場も多く盛り込まれている。

  • 壁一面に造作したテレビボードが印象的なリビング。ウィリアム・モリスのクロスは「ここに使いたかった」と、奥様がリクエストされたもの。外観同様のシンメトリーデザインとなっており、収納の扉はモールディングを取り入れた框扉にするなど、細部の装飾にもこだわった。家具は、以前から買い集めていた英国アンティークが中心。

  • リビングとダイニングは、コラム柱から続くゆるやかなアールによってゾーニングされている。天井には外観と同じデンティルモールを施し、デザインの統一感を持たせた。以前から所有していたテーブルセット、照明等も違和感なく収まっている。

  • 陽当りの良いリビングには、造作の出窓ベンチが。読書、ティータイムなど、奥様が「私の時間を楽しめる場所」として使うことが多い。
    カーテン等は、モリスのクロスに合うものを選んだ。

  • 框扉のキッチンが欲しい、という奥様の希望をかなえたスペース。収納を含めてオーダーし、クオーツストーンの天板もサイズ調整してもらった。収納たっぷりで、生活感のある家電などは見えない工夫も。

  • 『ウエストビルド』からの提案だったというヌック。ベンチシート、テーブルの形状やサイズは、打ち合わせを重ねてジャストサイズにたどりついた。壁、天井は、奥様お気に入りの「Concerto」という名のおちついたピンクに塗装している。

  • 白基調の空間に木製の階段、アンティーク家具がアクセントとなるエントランス。
    階段の位置には悩み、ウエストビルドと相談した結果、階段の存在感と奥行きが強調される配置に落ち着いたという。

  • 外観も室内も、白、ベージュを基調にまとめられているが「小さなスペースは、はっきりした色使いで変化をつける」のがこの家のこだわり。
    パウダールームは、深みのあるブリティッシュグリーンに。

  • 輸入住宅に多いアイアンのサーキュラー階段ではなく、イギリスのクラシカルなデザインを希望し、階段は木製と最初から決めていた。ステップ、手すりを含めてすべてオーク材を使い、存在感のある親柱と上の擬宝珠は造作したもの。奥様は「納得の仕上がりです!」

  • キッチンとパントリーの間の空間は、デスク、棚を備え付け、奥様が自由に使えるスペースとなっている。「主人の書斎と私のワークコーナー、どちらも叶えられて満足です」。料理の合間にちょっと休んだり、ゆっくり本を読んだり、パソコンで作業をしたり、使い方は自由。「この空間があるだけで暮らしにゆとりが生まれる気がします」

ブリティッシュ・クラシックを通奏低音に細部からかもし出される美しさを描く

作品を仕上げていくように理想の家を形にする喜び

「まわりの景観から浮くようなデザインにはしたくなかった」とご夫妻。
思い描いたのは、豪華な装飾を施さなくても、本物へのこだわりがディテールに宿る邸宅であること。控えめなたたずまいから、じんわりかもし出される美しさがあること。イギリスへの憧れを強く抱く奥様のイメージを具体的な形に落とし込むため、ウエストビルドと打ち合わせを重ね、一緒に作品づくりに向き合うように、少しずつ作業を進めていった。「ずっと買い揃えていた家具があり、基本的な間取りも頭の中で固まっていましたが、それが1つの空間にまとまるのか、最初は不安もありました。でも、私の思いを的確に読み取り、キッチンとつながるヌック、木目が強調された階段の配置など、こういう考え方もあるのかと、驚かされる提案がいくつも。私たちもテンションが上がり、わがままなオーダーもしましたが、誠実に対応していただいたおかげで、理想を超えるような家ができたと思います」
テレビボードや階段など、造作した部分のオリティも高く、見た目だけでなく、動線などの機能面でも使いやすい。「自慢したくなる家です」と、ご夫妻は満足そうに語った。

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