理想の空間づくりに欠かせなかった造作家具
パリのアパルトマンの雰囲気が漂う、瀟洒な佇まいのH邸。海外の街角に建つ、モールディング装飾のある外観に憧れ、「居心地の良さと美しさの共存」をベースに、構想を練っていった。奥様は、自分たちの理想を形にするためスクールに通い、インテリアを本格的に勉強するほど、強い思いで家づくりに向き合ったという。
理想を形にする過程で、大きなヒントとなったのが造作家具だった。例えばワークスペース。デスクはもちろん、キャビネットやエアコンを隠すルーバーまで、すべてがオリジナルデザイン。リラックススペースの収納棚も造作となり、外観同様のモールディング、シンメトリーのデザインで、内と外の統一感を表現している。
こちらも外観と同じ深いネイビーと白を基調にしたキッチンは、色はゴールド、素材はタイルで空間にアクセントを利かせた。ダイニングスペースと合わせ、デザインの美しさと使い勝手を両立する工夫がされており、寛ぎながら、ゆったり食事を楽しむ様子が目に浮かぶ。
ベッドルームは、インテリアに強いこだわりを持つH夫妻らしく、「ブラケットライトを美しく見せること」をテーマとしている。ベッドヘッドウォールは、空色が混じったグレーで塗り、モールディングに囲まれたブラケットライトが美しくあかりを灯す。
ライフスタイルにうるおいと彩りをプラスしてくれる、自分たちのための家を建てたい。そんな思いを形にしてくれたオーセンティックコレクション。
「最初にお会いしてから、長い時間をかけてお付き合いいただき、理想通りの素晴らしい家が完成しました」と語る。それぞれの居室で居心地が良く、そこに美しさが共存するH邸。明確なライススタイルと、インテリアへのこだわりが生んだ、歓びに満ちた邸宅といえるだろう。