• 一度見たら忘れられないような、力強さが感じられるエクステリア。長い間、雨風に晒されてきたかのような、リアルなエイジングが見られるが、この物件が建てられたのは2015年。そして、途中で増築されたようなフォルムも最初からの意匠。

  • 淡いブルーグレーとオフホワイトで構成されたリビング。使い込まれたようなエイジング加工は、壁だけではなく床や天井にも。自然素材が生み出す経年変化の表情を、窓から入ってくる日の光がやわらかく照らし出す。

  • 階段からリビングスペースの上を吹き抜けにし、さらにオープンな吊り橋廊下にすることで、1階と2階の隔たりさえ取り去ってしまう提案。ベッドルームから吹き抜けを覗ける小窓を設えるなど、随所に加えられたひと工夫が家族のコミュニケーションを生み出してくれる。

  • ブルーグレーの輸入タイルが光輝くエレガントな空間はサロンとして、サンルームとして、またはティータイムを楽しむ場所として。発想次第で様々な使い方ができるサービスルームは、グリーンアンドハウスが積極的に提案している設計。

  • キッチンのすぐ横に配置された適度なこもり感があるダイニングは、石壁で囲まれたイメージで。壁紙でこのような柄も無くはないが、やはり立体物の醸し出す雰囲気には敵わない。

  • 造作キッチンも同社の十八番。トップに清潔感のあるイタリアンタイルを用い、キャビネット部はシャビーな化粧板を使って軽快さと使いやすさを意識。リビングに面したオープンタイプキッチンなので、洗い物をしながらでも家族と顔を合わせられるのも利点だ。

  • キッチンからまっすぐアクセス出来るパウダールーム。こちらの造作も見事で、陶器のシンクと大理石調のカウンターでクラシックさを踏襲。美しい模様の輸入タイルと壁のクロスは、ライトブルーで統一し、爽やかな一室に作り上げられた。

  • 同社の施主においても、和室の部屋を設計に取り入れる人はかなりの割合でいらっしゃるそう。隠れ家的な佇まいの和室は「外国人が和室をつくったら」というコンセプトでデザイン。モダンな茶室がそこには出来上がっていた。

  • 絶妙のエイジング塗装によっていたるところにアンティークっぽさを感じる装飾を取り入れているが、建物自体のイメージは至ってクリーン。単に汚れ感や煤け感を出せばいいというわけで無く、その加工の仕方には、企業秘密の加工メソッドとテクニックがあるのだ。

  • アプローチに石を敷き詰めることでエレガントさを実現し、ランドスケープデザインにも言及。街灯の明かりで外壁が照らされると、まるでヨーロッパの古城を利用したホテルのような優雅な雰囲気が漂い始める。

遊び心とエレガントさ、そして憧れが詰まったG&Hのモデルハウス

映画に出てくる欧州の裏路地のような不思議空間な住まい

 家の中に洞窟がある。家の中に吊り橋がある。家の中に海外の路地裏がある。グリーンアンドハウスを知らない方がそんな事を耳にすれば「いったい何の話をしているの?」と疑問に思うことだろう。その一方で同社の家を一軒でも見たことがある人なら、その意味を理解し「遊び心がある家に住んだら楽しそう」と目を輝かせることだろう。
 埼玉県秩父市にあるグリーンアンドハウスのモデルルームは、「アートアンティークな住まいづくり」を得意としている同社のことが良く理解できる、魅力を凝縮した場所。
 石積みに塗り壁、瓦屋根……。ヨーロッパの郊外に建つような住まいをベースとしながら、彼らが得意とする独自のモルタル造形アートとエイジング技術を施し、幼き頃の絵本で見たような憧れの洋館の世界観を表現した外観。
 また、その匠の技術は内観も同様。寧ろ造作に関してはより多くの驚き、感動を訪れる人に与えている。まず玄関ホールに入ると、その先に続く明るい色の石積み風のアーチがお目見え。トンネルとも表現できるほの暗い廊下を歩くと、その先は一転、明るい自然光に包まれたリビングが現れる。石の柱に壁、時の流れを感じさせる扉。木の温もりを感じるフローリング。そして上を見上げれば吹き抜けの階段と幅広い踊り場、吊り橋……。「住まいとはこんなもの」という自分の固定観念をいとも簡単に払拭してくれる、暮らして楽しそうな空間。
 また、唯一無二の造形技術が使われているのは遊び心のあるデザインだけにではなく、キッチンやサニタリールーム、扉などの造作家具・建具でも遺憾無く発揮。自社の工房で一つひとつ、時には蝶番から手作りすると言うから驚かされる。一般的な新建材ではできない表現、アートアンティークというアプローチ。「家を売る」のではなく「家を造る」のが仕事だという彼らは、この展示場だけでなく、全ての物件で、その物件に合わせたデザインを提案している。
 「グリーンアンドハウス」の家を見れば、住まいとは自分らしく、自分たちに合わせたものであるべきである。と気付かせてくれる。
 力強いフォルム。その一方で、どこか懐かしい、心にやすらぎを与えてくれる温かみも感じられる。曲線を生かした美しいプロポーションの塔が、住まう人、ゲストを微笑むように迎えてくれるのだ。

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