• ソリッドな中にウッドの温もりを持たせたファサード。正面には2台車が停められるカーヤード。家の裏手、斜面側にはご主人が大切に管理しているキッチンガーデンが広がる。

  • 玄関からの階段の見え方にこだわり、2階へつづく階段は吹き抜けのスリット階段にした。リビングに続く扉は天井までの高さとし、一部をガラスにすることで、明るく閉塞感が生まれない空間を実現。

  • 壁をグレーのドライウォールで仕上げた落ち着きのあるリビング・ダイニング。アクセントになっているホワイトの幅木は高めに設定。床は無垢調のフローリングにし、床暖房も備えた。

  • 1階は居心地をよくするため270cmの天井高を確保し、イギリスから持ち帰ったキャビネットや鏡もセンスよくコーディネート。掃き出し窓からウッドデッキへはフラットに繋がっているため、ダイニング感覚で使っているそう。

  • T邸の空を塞ぐものは何もなし。抜群の眺望を活かしたウッドデッキではBBQをしたり、オーニングを出してブランチを楽しんだりと大活躍。楽しい会話と笑顔が広がる贅沢な空間だ。

  • キッチンも他の部屋同様にグレーが基調。それでも暗くならないのはトップライトがよく仕事をしてくれているから。シンク下の収納庫の扉の取っ手はイギリス製のものを使用するなど、随所にこだわりを散りばめた。

  • パントリーとキッチンへとつながる動線の途中にはミセスコーナーをレイアウト。このカウンターは食材や料理を一時的に置く作業台としても優秀。小さいスペースでもその役割は大きい。

  • 斜面に建てられているため地下といえど十分に光が差し込み、風通しもよし。地下室は基礎を強化することにもつながり、通常の住宅より頑丈で安心な住まいとなる。

  • 艶やかな素材感の収納とシンクを取り入れつつ、シンプルにデザインされたパウダールーム。空間としてはゆったりとしたサイズ感なので、慌ただしい朝でも家族でシェアして使うことができる。

  • 建物が建っているのは土地の3分の1ほど。斜面には料理に使えるさまざまなハーブが育てられている。土いじりがお好きなご主人は、イングリッシュガーデンの完成に向けて汗を流している。

濃厚な家族の時間を育む、シンプルモダンな住まい

敷地を最大限に活用しながら、ひとつひとつの部屋にこだわった

 長かったイギリスでの生活を終え、数年前日本に戻られたというEさん一家。そして、帰国をきっかけに住まいづくりについて本格的に考えはじめ、街を一望できる高台の土地を購入。斜面に面する地の利を生かし、地下1階、地上2階の住宅を頭に思い浮かべたという。
 その希望をに沿ったプランニングを務めたのは、地下室付き住宅の開発・導入に取り組み、1200棟以上の実績を誇る「フローレンスガーデン」。採光や風通しの良い半地下工法によって敷地を最大限に活用し、広々とした居住空間が確保された。
 外観は片流れの屋根と窓のないファサードを持つモダンスタイル。屋内は木の温もりと、それを際立たせるホワイトやグレーで統一した空間。お気に入りのアートが映えるように、シンプルでおしゃれに仕上げたのだという。
「イギリスから持ち帰った絵画も素敵に飾れるようにと、リビングや廊下の広さも綿密に計算して設計してもらいました。階段踊り場の絵は実は息子が幼稚園の時に描いたものなんです。親バカと思われるかもしれませんが、とても気に入っていて、絵の才能があると密かに確信を持っているんですよ(笑)」
 1階にはLDKと展望を生かしたウッドデッキ。2階はバスルームと子供部屋。地下には主寝室とゲストルーム、そして音楽室も用意した。
「家族みんなで趣味のピアノやフルートを奏でているときが、私たちにとって大切な時間。自宅で趣味に取り組めるのはとても贅沢なことだなと、しみじみ感じますね」。Tさん夫婦はお子さんの髪の毛を愛おしく撫でながら、優しい笑顔でそう話してくれた。

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