都会の喧騒を離れ、週末をのんびりと過ごす
天井近くまで伸びる大きな窓から、吹き抜けのリビングに明るい陽射が差し込む。オーナーがこのセカンドハウスを建てるにあたってイメージソースにしたのは、快適で楽しかったパリのアパルトマンでの生活だった。
「購入した土地に建っていた小屋がスパニッシュ様式だったので、そのデザインを受け継ぐ形で外観はスパニッシュコロニアルにしました。でも、住空間のイメージはあくまでもかつて住んでいたアパルトマン。解放的で広々としたリビングを希望しました」
夫婦二人と愛犬が過ごすセカンドハウスだから部屋数は必要ない。その代わりに、一つひとつの空間にゆとりを持たせ、オフをゆったりと贅沢に楽しむことができる住環境に仕上げることに注力した。また、生活シーンをより豊かに彩るテラスや、緩やかな起伏のある庭にも余裕のある設計に。
心地よい陽だまりの中で読書に耽り、庭では愛犬が走り回る……。都会ではなかなか犬を自由に遊ばせる場所がないので、どうせならドッグランのような広い庭のある住まいを手にしようというのが、新居を建てるに至ったきっかけでもある。「犬のために建てたようなものですよ」。と笑うオーナーは、愛犬と遊び、仕事で疲れた心と身体を癒す。
「この住まいを手にしてから、毎年のように出かけていた海外のリゾート地に行かなくなりました。ここなら愛犬も一緒にいられますし、何よりみんな笑顔になれるのです」。爽やかな朝日で目覚め、陽光に包まれながら本と戯れ、暮れなずむ空に浮かびだす月を愛で、夜は庭に座ってグラスを傾ける。得もいわれぬ心の開放感が、たまらなく心地よいとオーナーは語った。