• 道路が交わる角地にあり、「3方向のどこから見ても、遠くから見ても、存在感のある家にしたかった」とOさん。ジョリパット(塗り壁)、塔屋部分のライムストーンなど質感の異なる仕上げとっている。

  • ライラックグレイのフレンチドアを開けると、室内の扉、階段の手すりが同系色のグラデーションで統一されているため、すっきりとしながら配色のセンスのよさがパッと見て取れる。

  • 玄関のフレンチドアと同系色にあわせアイアンはシャビー加工して空間全体との調和を図った。

  • エントランスの床は表面をやや凹凸のあるアンティーク加工した大理石を用い見た目の変化を楽しむだけではなく汚れなども目立ちにくいなど機能面にも配慮した。リビングドアもフレンチドアにしケーシング上にも意匠デザインを施した。

  • フレンチクラシックのダイニングテーブルとシャンデリアがO邸のインテリアのベース。同じブランドの家具、照明を可能な限り使って統一性を持たせた。椅子はテーブルの雰囲気に合わせて奥様が自分で塗装したもの。

  • 大きなキャビネットはダイニングテーブルと同じブランドのもの。また、テーブルの大きさに合わせて天井にモールディングを施してあり、空間を引き締める効果がある。

  • 塔屋部分内側の出窓スペースにはテーブルなどを置くケースが多いが、O邸はソファが置かれていた。無垢材の床、壁と窓枠、そしてソファの色のコーディネイトが絶妙で、一幅の絵画のようでもある。

  • 窓際には小さなテーブルと椅子を置き、庭を眺めながらティータイムを。

  • 家のまわりのガーデンには60種類のバラが咲き四季の移ろいを感じさせてくれる。

  • トイレは少し遊び心を加え、壁はややオレンジがかった色を選んだ。ボウルは輸入家具の上に固定してあるが、「これを使いたい!」と奥様が提案し、造作してもらった。

色と装飾で個性が織りなすフレンチシックな住まい

アーティストの感性が生きる家

 エントランスのフレンチドアを開けた瞬間から始まる、リラグレイの物語。薄い青にかすかに紫、そしてグレイを混ぜた色がO邸の通奏低音。表面にエイジングを施したシャビーシックの空間には、ポーセリンアート作家でもあるOさんの感性が貫かれている。
リビングに置かれた、長さ3.5メートルのダイニングテーブルがすべてのモチーフ。絵付けのサロンレッスンを行うため、大きなテーブルを探していた時、フランスのブランドのこのテーブルに出合った。完全なひと目ぼれ。フレンチクラシックなテーブルを基点にイメージを膨らませたという。
「たくさんの色で飾るより、リラグレイを基調にしたグラデーションで統一しようと思いました。ドアとサーキュラー階段の手すりの色を最初に決め、それに合わせて、壁は質感がしっとりしたドライウォール、リビングの床には自然な風合いのあるオークの無垢材を。エントランスの大理石もシャビー加工するなど、注文が細かくてノアデザインさんは大変だったかも。でも、私がイメージしていた通りの空間に仕立てていただけました」
 存在感あるリビングのシャンデリアは、お城に照明を納入するフランスのブランドのもので、オーダーから到着まで1年以上かかったという。それでも「他のシャンデリアに変更する気はぜんぜんなかった」とOさんは笑う。ポーセリンアートは、納得できる発色を得られるまで何度も窯入れを繰り返す。妥協しない創作活動が、リラグレイを基調とするO邸のカラーコーディネイト、空間づくりの背景にある。時を経るに従い、より深みある美しさをまとっていくだろう。

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