• 陽の光を受けて豊かな表情を見せてくれるジョリバット仕上げの外壁。石風のタイルを貼るよりも軽やかで、かといってシンプル過ぎず程よい重厚さを感じられるのがお気に入りのポイントだとか。家とのバランスを計算して植栽した樹木が、N邸の存在感を引き立たせる。

  • ブリック屋根、軒下のモールディングや窓廻りのアイアンの装飾など、表情豊かなエクステリア。塔屋風のデザインの隣、リビングから続く広々としたテラスは、庭木を愛でながらお茶を楽しめるアウトドアリビングとしてある。

  • 玄関の主役は、ステンドグラスをはめ込んだ、ボルドー色の大人な雰囲気の扉。カーテンの上飾りと色合わせをしつつも、全体を白でまとめ上げることで扉の存在感を際立たせている。

  • 自然と家族が集えるように家の中心に配したリビング。ダイニングキッチンとも緩やかにつながっており、ご主人の趣味であるオーディオも楽しめる優雅な大空間となった。

  • 吹抜け部分に階段を設け、ダイナミックな空間を演出。 アメリカから輸入したシャンデリアと華やかなデザインのカーテンを用いて、ノーブルなリビングを作り上げた。

  • 淡いグリーンとそれを引き立てるホワイトのツートーン。アクセントとしてゴールドが品よく輝く。壁面の表情と窓のバランスが美しい、落ち着きのあるダイニングスペースだ。

  • 料理をする手もとがゲストから見えないように、あえてカウンター部分を高く作ったというキッチン。奥にはたくさん収納ができる便利なストックルームを設けている。

  • 祖父母が大切に暮らしていた家を建て替えてできたN邸。その歴史をしっかりと受け継ぐために、床柱や欄間などを再利用して和室を設えた。

  • 寝室はシャンパンゴールドの壁紙を用い、空間全体のトーンを少し落としてリラックスできる雰囲気に。ベランダ側にしっとりとしたパープルカラーを据えるあたりからもオーナーのセンスの高さが伺える。

  • サニタリーにはゴールドを散りばめたブルーの壁紙を選び、上品かつ少し遊び心を持ってコーディネートしたそう。水栓金具、ミラーにも統一感を持たせた。

目指したのは、ヨーロッパの郊外に佇む瀟洒な住まい

居住空間のやすらぎを色で表現する

 フランスやイタリアに見られる、タイムレスな石造りの建物。歴史を重ねても色あせることのないその佇まいに思いを馳せ、心の中に抱いたイメージをそのまま家したい。ローマの休日などで観た、しっとりとした石の風合いを感じさせる家にしたい。そんな思いで建てられたN邸は、重厚過ぎずスタイリッシュ過ぎない、程よいバランスを持ったヨーロッパ風の洋館。
「私は以前、事業用の施設を建てたことがあります。そこはリラックスできる空間に仕上げようとプロバンスの家をデザインモチーフにしたのですが、使われているケーシングなどは日本の既製品。それはそれで良いものなのですが、長く過ごしているうちに、ちょっとした違和感を感じるようになってしまいました。だからこそ自宅を建てる時は、輸入の素材にトコトンこだわろうと決めたんです」
 住まいづくりは何年かかってもいいので、後悔がないようにじっくりと進めたい。本物の建材を使った、本物志向の家に暮らしたい。そう思ったNさんは、長い期間をかけて住宅誌などから情報を収集。ハウスメーカー選びは難航したものの、素敵だと思える外観やインテリアを挙げていったところ、それらはどれもノアデザインが手がけたものだったという。
 大開口の窓から柔らかな光が差し込むリビング、お互いの顔を見ることができるリビング階段。来客時でも使えるような2階にあるバスルーム、ストックルームやユーティリティスペース、シュークロークの設置……。ノアデザインにいざプランニングをお願いして図面が出来上がった時、Nさんの頭の中に描いていたイメージそのものが、そこに表現されていた。
 インテリアのコンセプトは”色で遊ぶ”こと。ダイニングの壁はグリーン系の壁紙を用い、白のテーブルやキッチンと合わせることで落ち着きを演出。対照的にリビングは白壁の空間としながら、家具で彩りを加えた。配色はすべてNさんのセレクトだそうだが、シャンデリアや暖炉風のTV ボードなどはハウスメーカーからの提案。お互いの感性が融合した結果、心やすらぐ上質な空間が生まれたのだった。
「私たちの感性を汲み取っていただき、さらに知識と技術をもって設計していただいた私たちだけの家。竣工を迎えた時はとっても嬉しかったです」。Nさんは目を輝かせながら、理想の我が家について語ってくださった。

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